三浦豪太さん、アコンカグア遠征日記【全3回】(2019年1月22日)3/3
アコンカグア登頂に挑戦中の三浦雄一郎校長。同行する息子で医学博士の三浦豪太さんより、日々の様子が送られてきています。本サイトでも一部紹介いたします。
今回は、1月20日〜22日までの3日間、三浦雄一郎校長が下山となり、バトンを渡された豪太さんがアコンカグア山頂へ到達するまでの激動の3日間を全3回に渡りお伝えしてまいります。(3回目)
1月22日
翌日、酸素を吸引して一晩寝ると思いのほか体が軽い。この下には雪があるという。やっとスキーを履くことができる!
荷物をまとめると目の前の雪の上でスキーを履く。
斜面は酷い凹凸であった、ちっちゃいペニテンテス(氷の突起)が無数にあり、ガタガタでとてもじゃないけどエレガントな滑りはできなかった。それでもスキーを履くとまた世界が違うように見えた。雪があるところは全部滑るところができる。周りが一変して、これまで挑戦や過酷さといった山のキーワードから軽やかな<遊び>へと気持ちが大きく変わる。
僕にとって山はやっぱりスキーなんだなと思った。きっと父にとっても。
ニドのキャンプから標高差500㍍ほど滑ることができた。下部は正直怪我をするのではないかと思うほどペニテンテス(突起)が大きくなった、酸素も薄く喘ぎながらのスキーだったがこの数日、思い悩んでいた事柄が、スキーで滑り降りることで全てが払しょくされ清々しい気持ちになった。そんな気持ちで改めてアコンカグアを見上げる。地元の言葉で「岩の監視人」という名前。
僕はこの岩の監視人に試練を与えられ、恥ずかしい思いも、辛かった思いも見られていた。しかし、それ以上にこの山から数知れないほどのものを教えられた。山頂でちゃんと思えることのできなかった深い感謝の想いがプラサ・デ・ムーラのキャンプ地に着く頃に湧き出てきた。岩の監視人はそれら全て見てくれているようだ。
結果、お父さんはドクターストップで下山したが、誰も怪我することなく僕はアコンカグアの山頂に立つことができ、そして最後はスキーまでさせてもらった。一緒に登った仲間とアコンカグアに本当に感謝したい。
そして応援してくださったみなさまありがとうございます。
(写真提供:ミウラ・ドルフィンズ)
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